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Forest Instructor Association of Japan

第2回 〜木育事業のはじまり〜

執筆:工藤森生氏(北海道8-0526)

北海道における木育事業のはじまり

 

 北海道では、平成17年度以降、木育を広めるのための様々な取組が始まりました。そして「子ども未来の森林づくり推進事業」が、道で予算化した最初の事業になりました。この事業は2つの事業から成り立っています。
 一つは、森遊びや森の活用に長けた達人などと子どもたちが体験活動を行うことができるようなフィールドを「げんきの森」と名付け、全市町村に設置する「もりの学校推進事業」です。ここでは、「げんきの森」を中心に乳幼児期から森林とふれ、親しむ機会をつくりだすことを目的に「赤ちゃん誕生記念植樹」やドングリの苗木づくり、森の中でのゲームなどが行われました。
 二つは、木とふれあい、木の良さを知ってもらうためのきっかけの場をつくる「もりのゆりかご体感事業」です。子どもたち向けの「木の遊園地」と、大人向けの学習会・講演会をセットにした「わくわく!木育ランド」を実施し、年6箇所2年行い計2万人以上の来場者を得ました。特に「木の砂場」は大人気となり、今では北海道の木育の代名詞のようになっています。
 当時、通称「もりの学校推進事業」を「みどり」、「もりのゆりかご体感事業」を「ちゃいろ」と表現していたこともあり、既にこの事業は終了しているものの、北海道の木育を端的に表現するとき、未だに「みどり」と「ちゃいろ」という表現を使います。

平成17年度スタート「子ども未来の森林づくり推進事業」

 
もりの学校推進事業(みどり)

 

もりのゆりかご体感事業(ちゃいろ) 

 

 この他、情報発信としてホームページの作成、メールマガジンの発行、各種パンフレットの作成を行っています。メールマガジンの登録者は、今や3,000人超えました。現在、全国で行われている木育イベントは、これらの情報を参考にしているようです。

国に対する働きかけ


道としては、「木育」を北海道発の言葉として定着させるため、様々な要請活動の中で、国に働きかけを行ってきました。その結果、平成18年9月に閣議決定された「森林・林業基本計画」には、「木育」という言葉が初めて記載され、全国区の言葉として登場することになりました。これがきっかけとなり、全国で民間団体が主体的に取り組むようになりました。


【森林・林業基本計画での木育の表記】
◆平成18年9月
“市民や児童の木材に対する親しみや木の文化への理解を深めるため、材料としての木材の良さやその利用の意義を学ぶ教育活動を「木育」と呼称・推進する”

◆平成23年7月
(森林環境教育等の充実)
森林の有する機能や木材利用の意義等に対する国民の理解と関心を高めるため、身近な自然環境である里山林を活用しつつ、関係府省が連携した青少年等の森林体験活動の機会の提供、指導者の育成、国民生活に必要な物質としての木の良さやその利用の意義を学ぶ活動である「木育」等を推進。

(消費者等の理解の醸成)
木の良さや木材利用の意義を学ぶ「木育」の実践的な活動を積極的に推進
 
 

 このように木育は、新たな全国展開への道を歩み出すわけですが、少し国と道では、木育の考え方が違っていたようです。
 国の考え方は、あくまでも木のおもちゃや木製品を活用した国産材の普及(木づかい)に止まっているのに対し、道は、森づくりから木づかいまで幅広く考えており、森林資源の循環利用まで見据えていました。このため一時期、道としては、これまで国に対して木育の普及を働きかけてきましたが、国の動きを静観するようになり、道内の民間団体と連携し、独自の動きをするようになりました。現在では、国も森づくりの観点を入れる方向となり、この考え方の溝も埋まりつつありますが、道外の民間レベルでは、木のおもちゃを使ったイベントに集中しているようです。
 道としては、この動きを否定することはなく、その地域にあった木育があって良いと考えています。北海道発の「木育」という言葉が、全国に的に広まるのですから、喜ばしいことです。私としては、北海道の木育は、「森づくり」と「木づかい」の両方を見据えた取組であることを認識していただければ、それで良いと思うところです。



道内の民間における動き


 前回、書かせていただいた木育のキーワードは、”人のつながり”でしたが、この言葉と言えば欠かすことのできない道内の任意団体「木育ファミリー」の存在があります。
 この団体は、木育推進プロジェクトチームの有志によって平成17年に結成され、森林づくり関係、製材、木工、建築設計、子育て・教育関係など様々な分野の方々が自主的に参加し、活動する集まりです。
 普通の任意団体とは、少し違い、木育という言葉ではつながっていますが、明確な目標や活動がなく、好きな木育をするために集まるといった感じです。しかしながら、やることは、大きかったりします。
 例えば、全国・道内から木育に興味のある方々を集め「全国(全道)ミーティング」と題して、事例発表や木育プログラム体験会などを実施したり、地域住民との交流を行ったりします。中でも平成23年に北海道むかわ町で行われた第3回木育全国ミーティングでは、岐阜県や沖縄県からも参加があり、生木を使い、身近にある道具で木工を行うグリーンウッドワークやアイヌ舞踊の体験などを行ったほか、地元の方々との交流は夜中まで続きました。
 このような活動は、個々の会員の”人のつながり”で集められ実施されています。北海道の木育は、このような団体や個人により支えられているのです。
 次回は、動き始めた木育の課題と新たな取組について紹介します。



 ○グリーンウッドワーク

生木を身近にある道具
や自ら作成した道具を使

※参考 木育ファミリーHP:http://www.mokuiku.net/index.htm




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第3回を読む

北海道から広がる「木育」の輪の続きはこちらから



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