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Forest Instructor Association of Japan

第5回 〜木育マイスターの活動〜

執筆:工藤森生氏(北海道8-0526)

 8月17日の大雨に続き3連続で台風が北海道を直撃し、災害対応のため原稿の作成が遅れましたことについて、お詫び申し上げます。
 なお、今回の内容ですが、前回では、企業の取組を取り上げる予定でしたが、木育マイスターの詳しい活動について書いて欲しいとの要望がありましたので変更させていただきました。
 以下、連載第1回で明記しましたが、「木育」とは、子どもをはじめとするすべての人が木を身近に使っていくことを通じて、人と木や森とのかかわりを主体的に考えられる豊かな心を育むことです。端的に言うと「木とふれあい、木に学び、木と生きる」そういう人づくりです。
 また、「木育」のキーワードは、”つながり“です。身近な木や木のモノから「人と森のつながり」を考えること。家庭や学校、地域の中から「木と森のつながり」を見つけ新しいつながりをつくること。そして、みんなが取り組んでみたくなる木育の活動を通じて「人と人のつながり」を生み出すことです。人、木、森など様々なものがつながることでいろんなものが育まれていくことが木育の基本的な考え方です。
 このことを確認した上で、木育マイスターについてと森林インストラクターとの違いなどについて見ると次のようになります。

木育マイスターと森林インストラクターの違い


 木育マイスターは、試験による資格制度ではなく、木育活動の企画立案や指導、アドバイス、コーディネートができる人材を育成するため、道が定める研修を受講することで木育マイスターとして認定・登録する制度です。対象者等は、次のとおりです。
・北海道在住の18才以上の人
・木育活動の実践を通じてその普及に携わっており、木育に関するさらなる知識・技術の習得を目指している人
・今後、木育マイスターとしての知識・技術を活用し、木育の普及を行う意欲のある人
・人数:20名 ※応募者多数の場合は抽選により受講生を決定します。
・受講料:無料 ※研修開催地までの交通費及び食費・宿泊費は受講生負担となります。
 以上が、受講の条件となりますが、第4回で書いたとおり様々な職種の方が参加されます。
 森林インストラクターの資格は、試験にさえ合格できれば実践経験がなくても資格を得ることができます。しかし、木育マイスターになるためには、1泊2日の研修を2回とOJT(現場研修)を最低1回は受講しなければならないため、必ず実践を経験することになります。

     
研修では、企画立案、林業体験〜製材工場見学、クラフト等の作成も含めた木育プログラムの体験、イベントのコーディネート〜開催までを経験させます。  


 このことから、木育マイスターは、経験済みのものを題材に、最初はイベントの手伝いから始まり、仲間やスポンサーを見つけ、自分の木育活動につなげることができ、早く独り立ちしやすいのが特徴と言えます。ただ、森林インストラクターは、森林、林業・木材産業、森林レクリエーションなどの知識に関しては、豊富なことから植樹祭、育樹祭、森林散策、キャンプなどでは、絶対の力を発揮するものと考えます。
 最近では、森林インストラクターが講師となり、木育マイスターを含めた一般道民向け森林教室などのイベントも行われています。

活動にかかる経費等


 木育活動の経費ですが、道の予算としては、木育マイスターの育成研修費がほとんどで、木育活動の実践の部分では手当されていないのが実態です。結果、まるまるボランティアということもありますが、実は、儲かるというほどではありませんが多少手当がされているのです。それでは、木育マイスターの活動費はどこから出ているのかと言いますとイベントを開催する企業や団体であったり、緑の募金やイオン、COOPなどの助成金であったり、マイスター自身が作った商品を販売して費用を得たりと様々です。
 このようなことが出来る背景には、先ず企業・団体に「木育」が認知されてきており、併せて木育マイスターの存在も知られてきたこと、「森づくり」「木づかい」、エコ、親子の参加がしやすいイベントなど企業・団体のイメージアップに繋がり、人を集められる取組であると知られてきたことが上げられます。
 しかし、正直な話、ここまで来るのに約10年かかりました。行政として予算が縮小される中、道民との協働により、地道な普及活動を続けた結果であると考えます。
 ちなみに、マイスターの謝金は、今のところ1日1万円が相場で、旅費は考えておらず、近場の方のお手伝いということでしょう。材料費などは、基本的に主催者側で出してもらうことにしています。
 次にイベントを行う際の傷害・賠償保険ですが、大きなイベントの場合は、主催者側で保険料を支払い、一般的な保険会社を使っているようです。小さなイベントやマイスターが独自に行うイベントは、内容により100円程度の保険料をいただくか、無加入の場合が多いようです。

木育マイスターが行うプログラム

 道内でも木育イベントが数多く行われるようになり、それを見聞きした市町村や企業・団体などからの開催依頼も増えてきています。回数を重ねるごとに内容も充実し、木育マイスターの発想による新たなプログラムも増えてきています。
 イベントで実施するプログラムを決定する際、木育マイスターの方々が最初に参考にするのは、「木育達人入門」です。特に「第7章 アクティビティの紹介」「第8章 木育プログラムの紹介」が基本となります。

※道のHP「木育達人入門」
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/mokuiku/mokuikumaisuta-nyuumon.htm

 次に参考とするのが各事例集2〜5ということになります。実際行われた内容が記載されており、全国で行われる木育イベントもこれを参考にしているとのことです。

※道のHP「木育トップページ」
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/sky/mokuiku/index.htm

 

「木育達人入門」
 
「木が育った森を感じること」〜木育事例集2〜
 

「木育のおはなしをしてみよう〜木育事例集3」
 
「森が歩んだ時をもとめて」
 

「北海道の木育案内〜木育事例集5」
 
 

 ここで紹介されているプログラムは、それぞれ参加者を楽しませるよう工夫されていますが、タイアップする市町村や企業・団体などの考えを取り入れた内容となっていますので、全てがどんなイベントでも受け入れられる訳ではなく、吟味する必要があります。
また、注意したいのが、主催する側の希望に合わせ過ぎてしまうと偏った木育イベントになってしまうことです。どうしても人気のある木のおもちゃに集中しがちですが、北海道の木育においては、「森づくり」と「木づかい」、「川上」と「川下」など、一方的にならないよう両者を何かしらの形で盛り込むことに気を遣います。
子どもに人気のプログラムは、やはり体験ものが多く、屋外では木登りのツリーイングや生木を身近にある道具で加工するグリーンウッドワーク、屋内では、マイ箸づくりやオガコ絵づくりなどクラフトづくりになります。これら人気のプログラムを森林環境教育メニューに加えながら総合的な木育プログラムを展開しているところです。
 木育マイスターは、「木育達人入門」「木育事例集」を駆使するとともに、マイスター間のメーリングリストや研修会などを活用しながら独自のプログラムメニューの開発につなげているようです。
 木育と学校教育については、第7回目の総括で新たな可能性という視点で書きたいと思います。次回は、企業・団体の取組について紹介いたします。

続き

第6回を読む

北海道から広がる「木育」の輪の続きはこちらから



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