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Forest Instructor Association of Japan

第6回 〜企業・団体等の取組〜

執筆:工藤森生氏(北海道8-0526)

 前回、木育活動にかかる経費等のところで、木育の展開には、企業や団体等の協力や支援があって、成り立っている事を書かせていただきました。資金や活動の場の面でもそして、普及PRの面でも企業や団体等の協力は大変重要です。これが無くては、たぶん北海道の木育は10年以上も続かなかったし、全国にも広がらなかったと思うところです。
 ここでは、北海道の木育を支えていただいている企業や団体等との取組を紹介します。

企業や団体等を引き込む道の戦略


 連載第2回の北海道における木育事業のはじまりの項で、平成17年度から道で事業化し、木とふれあい、木の良さを知ってもらうためのきっかけの場をつくるため、子どもたち向けの「木の遊園地」と、大人向けの学習会・講演会をセットにした「わくわく!木育ランド」を実施したところ、年6箇所で2年間行い、計2万人以上の来場者を得たと書かせていただきました。
 この事業の実施は、かなりインパクトがあったようで新聞報道やテレビの取材がかなりあり、マスコミに大変興味を持っていただいたようです。報道されると、先ずは、保育園や幼稚園、養護施設などの保育、幼児教育などの方々から、「木のおもちゃの値段は?」「貸し出しはどこで行っているのか?」などの問い合わせがありました。先ずはきっかけづくりとしては成功でした。
  次に、木育の産業化を目指して、大型店舗を持つイオンやコープなどに1週間、木のプールなどの木のおもちゃを置かせてもらい、導入に向けたアンケートを取ることを行いました。アンケート結果では、購入金額の高さ、衛生・安全・保安管理の課題などで導入は難しいとのことでした。しかしながら、イベントとして親子を呼べる集客力があることは印象づけたようです。
 次に行ったのは、木育を伝える人材育成、すなわち木育マイスターの育成です。「今後、木育マイスターとしての知識・技術を活用し、木育の普及を行う意欲のある人」という条件で募集を行ったわけですが、結果的に企業や団体の幹部や、この方々とつながりのあるNPO団体などの職員も集まることになりました。木育の普及を行う意欲のある人材ということでは、この方々は適任であったかもしれません。結果、木育マイスターの方々が本業やネットワークを活用して、スポンサーや協力者を見つけてきてくれることになりました。
 下の写真は、現在も続いている商業施設での木育イベントの様子です。

 
木育ひろばinマルヤマクラス
 
木育フェアinアリオ札幌

 
結果論かもしれませんが、企業や団体等を木育活動及び普及に引き込む戦略としては、成功したのかなと私なりに考えています。

取組のいろいろ


 企業や団体などが行う木育の取組は、様々な形態があります。行政が企業や団体を巻き込んで行うもの、木育マイスターが企業や団体を巻き込んで行うもの、そして企業や団体自ら行うものなど、どんどん裾野が広がっています。
 ここでは、それぞれの主な取組について紹介します。

(1)北海道、国有林、各団体の連携による取組
【北海道森づくりフェスタ】
 北海道、北海道森林管理局、公益社団法人北海道森と緑の会、北海道林業・木材産業対策協議会が、道民参加による協働の森林づくりを進めるため、企業や団体など多様な主体と連携し、「森づくり」や「木づかい」の複数イベントを一体的に実施しています。
   ・フェスタ開会式:5月・緑の羽根伝達式及び「緑の募金」街頭募金
   ・植樹祭:6月・年1回の1,000名規模の北海道植樹祭
   ・青少年交流事業:夏休み期間に行う小学生を対象とした1泊2日の木育交流会
   ・道民森づくりネットワークの集い:森のテント村やツーリングなど団体の交流会

【「希望」を「きぼう」でプロジェクト】
 北海道では、企業や団体に資材提供のご協力をいただき、各地での木育イベントにおいて、木育マイスターとの連携のもと、東日本大震災の応援メッセージを添えた「きぼう(木棒)」を道民の方々に作成いただき、それを約4千本、木枠に入れた木製遊具「きぼうのプール」を東北に贈っています。
   
○協賛企業・団体の状況
H26:株式会社ジェーシービー、北海道森林組合連合会・農林中央金庫札幌支店、東京農業大学林学科等同窓会北海道支部、北海道森林インストラクター会
H27:株式会社ジェーシービー、北海道森林組合連合会・農林中央金庫札幌支店、5年目の3.11実行委員会、江差信用金庫、マルヤマクラス、日本経済社、北海道住まいと暮らしのフェア2015、三井アウトレットパーク札幌北広島、東京農業大学林学等同窓会北海道支部
(2)木育マイスターが主体となった企業・団体との連携による取組
【北海道マイホームセンターでの木育】
 道内各地の総合住宅展示場「北海道マイホームセンター」で木育活動を実施。
   ・函館会場:マイ箸づくりや木工など(4日間)
   ・旭川会場:木のプールや積み木など(4日間)
   ・札幌会場:木製打楽器カホンづくりなど(3日間)
【ツルハ・P&G共同企画木育バスツアー】
 ドラッグストアーであるツルハとP&Gの共同企画である「木育バスツアー」は、道民の森での植樹体験や自分で作った木工作品が持ち帰れる体験を通じて、親子で楽しく自然や木育について学べます。
(3)企業自ら実施主体となり行う取組
【わくわく楽しい木育フェア】
 国産材を使ったオフィス空間の木質化を進めている(株)内田洋行による木育イベントです。同社は、東京おもちゃ美術館の「赤ちゃん木育ひろば」や企業のキッズスペースなどで「木育」を推進する公共施設、乳児用施設を手がけ、全国各地の国産材を活用した木育の普及促進を支援しています。
 マイ箸・木製楽器づくりなどの木工、“きぼうのプール”や積み木などの木製遊具で、親子で遊べる木育空間を提供しています。

【コープ未来(あした)の森づくりで木育教室】
 生活協同組合コープさっぽろによる植樹祭の一環で開催された木育教室。木育教室では、木育マイスターが講師となり、植樹された木がどのように管理されると未来につながっていくかというお話や森に入るときに虫から身を守るオリジナル虫除けアロマスプレーを作るなどしています。

【木育フェアinアリオ札幌】
 北海道の木育の取組が企業との連携事業として進むきっかけとなったアリオ札幌での木育フェアは5回目を迎え、木育ひろば、地材地消の展示などを行っています。
 イトーヨーカ堂は、北海道との包括連携協定により、暮らしの安全・安心、道産品の販路拡大、食育・子育て支援、環境保全などに取り組んでいます。

※木育マイスターは、謝礼などを企業・団体からいただきながら企画、講師、実技指導を行っています。

 このように木育活動は、企業や団体などの協力により広がりを見せています。今、やっと木育という考え方が求められる時代に入ったのではないかと感じるところです。
次回は、いよいよ最終回となります。木育と教育との関わりを含めた今後の木育の展開について、私なりの考えを述べさせていただきます。

続き

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