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Forest Instructor Association of Japan

東京・西多摩式運材図絵 4

 〜最後の木屋師・久保田喜助の技〜

執筆:羽鳥孝明氏(東京5-0145)

シュラ

 シュラには山で作る物と川で作る物と2種類ある。ここでは山で作る物の話としておく。
 江戸時代の末期の「官材画譜」(乱暴に言うと「木曽式伐木運材図会」はこの書に色づけした物)には、サデというものが山の運材として作られている。この書ではシュラも書かれていて、川のものである。山のものはなかった。檜原村にはサデの話は出てこなかった。西多摩地域になかったとは言い切れないし、あったともいえない中途半端な感じでいるのが今の現状だ。
 さてシュラの話。ソリと違って古くからあるようだが確信は持てない。川でやるシュラは江戸時代にはあったということだけはたしかだ。川と山のシュラも構造的に大きく違うわけではないので、あってもおかしくは無いとも思うが。
 シュラのほうがソリより古いと思われるのは、「ソリの道は釘を使うがシュラは釘を使わないからだ」という説もある。シュラは山の藤ツルを用いて固定をする。そのツルも、私たちが目にする、木に巻き付いている物ではない。地に張っている物を使う。そうでないと切れてしまうからだと言う。地に張っているツルのイメージがよくわからなかったが、「昔は沢山あったよ」という話だ。シュラを造る人はツル取はあまりしない。年を取った人などが、その作業にあたるという。
 シュラの形は簡単にいうと滑り台のような物だ。材を何本か樋のように半円の形に並べ、その上に材を滑り落としていく。その距離が長いと滑り落ちる木が、いきおいがついて痛むので、90mから120m位だそうだ。一度そこで材を落としてまとめる。そして次のシュラに材を載せて、落としていく。その連続で長い距離を落としたようだ。「官材画譜」には「臼」という、材を方向転換させる技がのっているが、その話は久保田さんからは聞かなかった。知らないということだった。
 長い距離を滑り落ちると、いきおいがつきすぎて飛び出してしまうので、その「角度」はベテランでなければできない。カーブの部分はそれはそれで色々な技を駆使して、飛び出さないようにしたそうだ。
 写真を見るとわかるようにこのようなところを材が落ちてくる。当然ドスンと落ちる。割れたり、折れたりする。そこで、最後のシュラは角度を出来るだけゆるくしてスピードが緩むように作るのだが、それが難しい。その前のいきおいがありすぎると、どのようにしても、飛び出してしまう。スピードが出ないように滑らす、技が出来るかどうかが上手い下手となる。また、材が揺れながら側面の木に当たりながら落ちるので、シュラそのものが、壊れることもある。そのために滑らす台の部分は真ん中に細い木。次に太い木と段々太く、側面に並べていくということが考えられていた。
 この写真はビニールテープを使っているが昔は先ほど書いたように、藤ツルを用いていた。ツルを材に回して、縛るのかと思っていたが違った。巻き終わりの所をねじって、回したところに差し込むだけだという。そんなことで大丈夫かと心配したが、翌日になると乾いて堅くなるから大丈夫だそうだ。
 何とも想像が付かない技のオンパレードが、このシュラにはある。


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シュラ

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