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Forest Instructor Association of Japan

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2021年2月 アファンの森のホースロギングの取り組みから森と人の関わりを考える

今月は、昨年亡くなられた、C.W.ニコルさんが整備してきたアファンの森で馬が木を運び出す馬搬(ホースロギング)を復活させる記事がありましたので、そこから森と人の関わりをについて考えてみたいと思います。

■アファンの森
長野県黒姫にあるアファンの森ではそこの森林をよく知る地元の方々の意見を取り入れながら35年にわたり荒廃した森林整備が少しずつ行われ、今では35ha近くまで森林が健全さを取り戻してきました(参考文献1)。一方、信濃町ホースプロジェクト推進協議会とC.W.ニコル・アファンの森財団は2015年からアファン・ホースプロジェクトを開始し、日本の伝統的な馬と暮らす生き方を復活させて、新しい森とのつながりを目指しています(参考文献2)。

■森林から享受できる恵みは多様
健全な森林が私たちにもたらしてくれる恵みは多様です。林野庁では森林が有する機能を、(1)生物多様性保全、(2)地球環境保全、(3)土砂災害防止機能/土壌保全機能、(4)水源涵養機能、(5)快適環境形成機能、(6)保健・レクリエーション機能、(7)文化機能、(8)物質生産機能と定め、各機能はさらに細分化されて事例が示されています(参考文献3)。特に、間接的な恵みともいえる(5)の大気浄化、汚染物質吸収、(7)の芸術、風土形成などの機能は見落としがちかもしれません。

■可能性を秘めた整備された森
整備が進んできたアファンの森は私たちに様々な恵みをもたらしてくれる可能性を秘めており、活用方法の選択肢も様々です。ホースロギングはトラックなどの機械を馬に置き換えることになります。ここで私たちが享受する機能は、排気ガスやCO2を抑制する視点では地球環境保全ですし、騒音防止の視点では快適環境形成機能、馬と共に歩む日本文化の再発見や自然に親しむという点では、文化機能や保健・レクリエーション機能と、今回の事例でも様々な恵みに関係することがわかります。

■まとめ
今回はアファンの森の取り組みに触れましたが、馬を復活させる事例としては農耕馬の取り組みが複数みられます(参考文献4、5)。また、ホースロギングも日本全国の森に当てはまることです。馬と農山村のつながりは50年ほど前まではよく見られたもので、今でも農山村の古い家には馬などの世話をしていた名残を見ることができます。また、木曽馬など地域に根ざした馬を使うといった取り組みにすると文化継承しての価値を持ちますね。馬とのつながりを復活させる取り組みを、単なる懐古趣味ではなく自然との様々なつながりのあり方を再発見する機会になればよいと思います。


参考文献1:サステナブル・ビジネス・マガジン オルタナ「「森に働く馬の姿を」、C.W.ニコル氏が託した思い(2021/1/15)」(2021年1月17日閲覧)
https://www.alterna.co.jp/34579/

参考文献2:アファン財団ホームページ(2021年1月17日閲覧)
https://afan.or.jp/

参考文献3:林野庁「森林の有する機能の定量的評価」 (2021年1月17日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_3.html

参考文献4:産経ニュース「「馬耕」復活へ滝沢市で実証実験スタート(2019/5/14)」(2021年1月17日閲覧)
https://www.sankei.com/region/news/190514/rgn1905140003-n1.html

参考文献5:産経WEST「暮らしに馬を…伝統的な農法「馬耕」復活 淡路島でイベント(2016/4/23)」(2021年1月17日閲覧) https://www.sankei.com/west/news/160423/wst1604230039-n1.html





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