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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2022年12月 竹について考える

今月は竹を活用するニュース記事から竹と人の関りについて考えてみたいと思います。

■各地にみられる竹を活用する工夫
竹を活用する取り組みが各地で見られます。宮城県丸森町では竹パウダーを用いた生ごみ処理、千葉県房総ではプラスチックと細かく粉砕した竹から殺菌効果をもつ食器づくりです。房総の例では伐採した竹が軽トラックいっぱい4000円ほどで取引されているそうです(参考文献1)。一方、長野県伊那市高森町では中学生や町が竹を使った流し冷やしそうめんを企画し、その長さでギネスに登録されました(参考文献2)。

■放置竹林の問題
竹は食用、竹細工、竹垣、建築材、炭など私たちに身近な存在でしたが、食料輸入の増加、プラスチックへの代替等により地域の竹林の利用が減りました。竹を活用する工夫は上記のほかにも色々見られますが、成長の早い竹による森林侵食など放置竹林が問題化し、根が浅いことによる土砂災害も心配されています(参考文献3)。

■日本文化とかかわりの深い竹
竹を使った国指定の伝統工芸品は、釣竿、かご、うちわ、扇子から、弓や灯籠まで多様で、竹は日本文化とかかわりが深いと言えます(参考文献4)。また。その殺菌作用を活かし、あんこう餅やお寿司の包装材にも使われています。そういえば、お店に並ぶお弁当にプラスチックの緑の葉を目にすることがあります。ここに地域の竹の葉を使えば放置竹林の減少とプラスチック利用の削減と一石二鳥ですね。

■まとめ
今回は竹の生態には触れませんでしたが、竹の花は多くの謎に包まれているそうです。例えば、開花が120年周期といわれているハチクは前回の開花が1908年前後だそうで、次は2028年頃がピークとのこと(参考文献5)。開花には10年ほど幅があるようなので、竹に思いを寄せながらハチクの花を探してみても良いかもしれせん。

参考文献1:NHK仙台放送局「知っトク東北:放置竹林問題 第4弾(2022/11/11)」(2022年11月13日閲覧)
https://www.nhk.or.jp/sendai-blog/update/476158.html

参考文献2:NHK NEWS WEB「流しそうめん 全長3500メートル超で世界記録に認定(2022/11/5)」(2022年11月13日閲覧)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20221105/1010024577.html

参考文献3:林野庁「竹の利活用推進に向けて(平成30年10月)」(2022年11月13日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take-riyou/attach/pdf/index-3.pdf

参考文献4:農林水産省「aff(あふ)特集1 竹のおはなし」(2022年11月17日閲覧)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1301/spe1_04.html

参考文献5:農林水産省「aff(あふ)2021年3月号 竹のある暮らし」(2022年11月17日閲覧)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2103/spe1_01.html



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