書籍名/発行年月日/著者 | 概要 |
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日本の森列伝 自然と人が織りなす物語 2015年5月15日 発行 米倉 久邦(東京13-1183)著 定価(本体880円+税) 発行:山と溪谷社 ISBN9784635510264 |
「日本の森列伝」とはなにか戦国武将でも彷彿させるような物々しい書名である。が、読み進むにしたがってそれぞれの森が、成り立ちの不思議さ、長い年月における自然環境変化への適応力、人とのかかわりで収奪され破壊されながらも姿を変えつつたくましく生き抜く再生力など、波乱万丈のドラマを見せてくれる。森というものが風格ある一個の生き物の様で、列伝と呼ぶにふさわしい存在であることに実感させられる。 森林インストラクターは森林という奥深いものを対象にしているため、話題は森林成立の基盤となる地質、地形、気象条件などの自然環境、生物の環境適応の仕組みの精妙さ、さらには人間が如何に森林とかかわって生きてきたかなど多岐にわたるが、ほとんど全ての分野について的確で分かりやすい解説が成されている。 著者米倉久邦氏は日本山岳会会員、森林インストラクター、また共同通信の論説委員長を務められた方だけに、取材における行動力と分析力、人を引き付ける巧みな文章、そして森に対する深い思いが見事に結集して本書が生まれたものと推察される。日本の森の真髄に迫る名著で、森林インストラクター必読の書といえる。 (安武 弘幸(千葉17-2351)記) 新書判/352P。 |
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