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Forest Instructor Association of Japan

平成28年度全国研修会IN富山

平成28年度全国研修会IN富山(7月23日~24日)が開催されました 

平成28年7月23日(土)~24日(日)に、平成28年度全国研修会IN富山が開催され、東は福島から西は広島まで25名の会員と鶴巻登志広全国研修実行委員会会長をはじめとする5名の地元スタッフが参加し、無事終了しました。
その様子を写真でご紹介します。

「日本森林インストラクター協会選定 日本の森100」のひとつであり、今回の研修コースを旅行会社等とのタイアップにより、ツアーを企画実施することを想定した研修でした。
ツアーとして実施する場合を想定し、(仮称)「垂直植生観察トレッキングバスツアー」と名付けました。これは、標高差3000mの植生の変化とその歴史・文化を解説案内するツアーという意味です。なお、5月に京都で実施した全国研修IN京都と並び、雪に適応した日本海側の天然スギの巨木林が大きなテーマとなっています。
研修第一日目は、13時に富山駅前を出発、中型バスで約2時間、常願寺川流域を上流へ向かい、立山美女平に到着。この間、標高差約1000mの道中、とやま森林インストラクター会事務局の近堂純さんが、車窓の景色を案内しながら、「垂直植生の変化」を自然や文化・歴史など多様な視点で語り、参加者は耳を傾けました。ケーブルカーの美女平駅のそばにある「出迎え杉」の前に集合し、天然スギ巨木林の観察を開始しました。現在の「出迎え杉」以前から、ここには大きなスギがあったといわれているとのことです。
美女平
美女平は、溶岩台地の西南端に位置し原生的なブナ林の中に樹齢1千~2千年に及ぶといわれる本州最大級の天然スギ巨木林が見られます。   美女平

江戸時代以前から、積雪が固くなる春に、生きたままの杉から板をはぎ取り、里に滑り下ろして利用されていたことが、下流の遺跡や美女平の杉の幹に見られる痕跡から明らかです。
火炎杉も春頃の積雪の高さで枝分かれし、新たな樹幹が何本も天に向かって燃え立つ炎のようにそそり立つ巨木であり、人の手が加わった巨木林を象徴しています。
火炎杉 
この天然スギの巨木は、根元に空間ができて立ち上がったように見えますが、このスギは切株の上に芽生え、数百年の年月を経て元の切株は朽ちて跡形もなくなったものです。数百年前に切株があったことから、この時代、既に立山杉は利用されたことが推測されます。
  切株更新の天然スギ巨木
立山カルデラ

研修第2日目、早朝6時には、研修参加者のほとんどが、国民宿舎立山荘の近くから立山カルデラの展望台まで片道15分、朝の観察会に自主参加しました。ここから流出する土砂は常願寺川に流れ出し、明治時代から大規模な砂防工事が行われ、日本の砂防河川工事のメッカとされています。
タテヤマウツボグサ

タテヤマの名を冠した植物は多く、タテヤマウツボグサもそのひとつです。





弥陀ヶ原

立山の溶岩台地が形成する美しいなだらかな湿原で、高山植物の美しい花が咲競うさまは、極楽浄土のような美しさを呈します。
タテヤマリンドウ



天狗平から立山連峰を望む
立山三山を総称して立山と呼び、溶岩台地の上部の湿原を天狗平と呼びます。
 チングルマが咲きそろう天狗平

弥陀ヶ原より標高が高い分、花々の咲く時期も遅れ、この日はチングルマがちょうど見頃でした。エゾユズリハも、シカはあまり食べないことがわかります。
森林インストラクター佐伯肇氏

日本最古の山小屋とされる室堂近くで、立山開山の歴史を語る森林インストラクター佐伯肇氏。

エンマ台から地獄谷を覗く
美しい花々が咲競う天国のような弥陀ヶ原や天狗平とは対照的な地獄谷です。立山の自然が織りなす風景は、日本を代表する高原の火山の魅力を体現しており、現在、世界中から多くの旅行者が訪れています。

標高2405m ミクリガ池

立山の室堂付近の池で最大、かつ、最深の池。紅葉の季節には、立山を代表する景勝の地として知られます。近くに、日本最高所のみくりが池温泉があります。みくりとは御厨で、この水で立山権現に捧げる料理がつくられたといわれます。

報告:寺嶋嘉春(千葉3-0025)

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