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Forest Instructor Association of Japan

FIJ設立30周年ページ

FIJ設立30周年を迎えて

FIJ設立から30年の節目にあたり、ご挨拶申し上げます。
 何より、FIJ設立以来、ご支援、ご指導をいただいた関係機関、関係団体、関係各位に感謝申し上げ、心からお礼を申し上げます。

 30年にわたるFIJ会報を紐解くと、制度創設に関わった方々及びご指導いただいた関係各位からの貴重なお言葉に目が留まります。
 森林インストラクターは、いわば政府主導型の資格制度として平成3年に官報告示され、農林水産大臣公認資格として始まりました。その後、民間制度に移行し、環境教育等促進法の「人材認定等事業」となりましたが、森林インストラクター養成や資格制度の趣旨は、当初より基本的に変わっておりません。
 資格制度創設に至った端緒は、平成元年11月15日、衆議院農林水産委員会における「森林の保健機能増進法案」の質疑での、当時の林野庁長官甕滋(もたいしげる)氏の答弁でした。
「・・・保健休養の場を設けても、それに魂を入れるレクリエーションリーダーとか・・そういうものがいませんと死んだ場所になってしまう・・」という質問に対する答弁、「・・・国有林におきまして森林インストラクターを養成し、・・・民有林におきましてもこういった趣旨からの指導者の養成を図るために、何か新しい事業を起こして・・・」
 そして、甕氏は、FIJ会報3号の巻頭言で「将来、国土の3分の2を占める森林が、わが国でもさらに飛躍的な意義をもつことは疑いないと思われます。」と、述べられています。
 「将来」とは、まさにこの30年間です。
 30年前、1992年4月に、全国の森林インストラクター資格者、計49名のうち21名が東京に集まり、FIJ(全国森林インストラクター会)の設立総会を開催しました。
 その後の「森林の意義」に関わる、国内外の出来事を振り返ると、同じ年、1992年6月、ブラジルのリオデジャネイロにおいて、いわゆる「地球サミット」が開催され、「双子の条約」と呼ばれた、気候変動枠組条約と生物多様性条約が採択されました。
 気候変動枠組条約に関しては、5年後のCOP3での京都議定書により、関係国ごとに二酸化炭素排出量の削減が義務付けられ、日本は6%の削減目標のうち6割以上に当たる3.9%を森林吸収量として設定し、森林が大きく脚光を浴びました。生物多様性条約についても、その重要性の認知は徐々に進んでおり、豊かな森林の保全は、喫緊の課題となっています。
 11年前の東日本大震災の際の大津波に抵抗し、大きく壊滅した海岸林とその復興の取組み、森林環境税の創設決定、一昨年から続くコロナ禍の中で「地方を拠点とした暮らし」への志向など、国内外における「森林の意義」は顕著に増大し、これに呼応して森林インストラクターに期待される役割もますます大きくなっていると言えます。

 森林インストラクターとしては、「Think Globally、Act Locally」を基本に、地球規模の気候変動や生物多様性の保全への対処を重視しつつ、国内における地域の森林・林業・木材利用の動向に目を向けながら、里山の保全、山村振興・森林環境教育の取組の推進、さらに森林の空間利用を進めることが必要であることを再確認したいと思います。
 この30年間の世界における議論の中で、森林や環境の問題は、戦争や貧困などその他の世界の課題解決と一体的に取り組んでいかなければならないという基本的な理念・方針に到達し、ESD(持続可能な開発のための教育)の重要性、そして、SDGs(持続可能な開発目標)の取組推進が大きな潮流となっています。
 FIJとしては、このような、未来に向けた活動を展開していくこととし、新たなFIJ3か年計画(2022〜2024)を策定しました。
 すなわち、@ICT活用と会員同士の情報交流の活発化、A各地の関係団体等と連携した研修固定フィールドの設定、B森林ESDによる森林環境教育の推進を重要な3つの柱としています。
引き続き、関係各位のご指導、ご支援をお願いし、FIJ設立30周年の挨拶とさせていただきます。

2022年4月4日
一般社団法人日本森林インストラクター協会
会長 寺嶋 嘉春


30周年記念イベント

FIJ設立30周年を記念して下記の通り記念イベントをオンライン形式行います。

1.日時:4月23日(土)13:00〜15:30
2.開催方法 オンライン(ZOOM)
3.挨拶、祝辞、FIJ30年の歩み 13:00〜13:30
  記念講演:講師 阿部 治氏(立教大学名誉教授、ESD-J代表)13:30〜15:00
  質疑ほか15:00〜15:30
  テーマ:30年間の環境教育の歩み、ESDの提唱、SDGsと環境教育、そして今後の展開
 (対談形式)聞き手 FIJ会長 寺嶋 嘉春

4.講師紹介:阿部 治 氏 立教大学名誉教授 専門は環境教育/ESD。
 同大学ESD研究所長として日本を含むアジア太平洋地域の環境教育/ESDのアクションリサーチに取組むとともに、政府や企業、NGOなど多くの学外組織において持続可能な社会構築に向けた活動を展開している。
(経歴・活動等)
 学生時代、全国自然保護連合の事務局ボランティアを行うなど、積極的に自然保護活動に取り組むとともに環境学や環境科学のあり方などについて学友や教員らと議論する。
 1992年ブラジルリオデジャネイロでの地球サミットにおいて、日本市民による貢献を意図したブラジル市民連絡会議の環境教育担当としてジャパンレポート作成に貢献するとともに、サミットに参加。特に、80年代後半から90年代にかけて、従来の環境教育を「つながり」や「関係性」から整理し、「人と自然」、「人と人」、「人と社会」のつながり教育、関係性教育とする広義の環境教育を提唱し、その後のESD(持続可能な開発のための教育)の提唱を行う。日本環境教育学会会長(2009−2015)などの学会活動や広範な社会的活動に従事。環境省・文科省が民間とともに2016年に設置したESD活動支援センターのセンター長を務めている。

5.対象者:日本森林インストラクター協会正会員
6.参加費:無料
7.申込方法:会員のページのフォームよりお申込み下さい。




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