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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2021年5月 薪ストーブについて考える

今月は薪ストーブに関する連載記事から、薪ストーブと付き合うことから見えてくることについて考えてみたいと思います。

■薪ストーブの暮らしに関するコラム
薪ストーブの連載記事には、移住して薪ストーブのある暮らしを始めてからの出来事を、薪の準備、ストーブの歴史や使い方、燃焼の原理、IoT(Internet of Things)を活用した最新ストーブなど、多くの視点からの記載があります(参考文献1)。

■注目が集まりつつある薪ストーブ
薪ストーブは停電でも暖を取ったりお湯を沸かせたりできることから、筆者が暮らしている長野県では東日本大震災後に、普通の家庭での導入が進んでいるように思われます。その一方、隣家が近い住宅地では煙突からの煙やにおいなど周囲への配慮が必要になるケースもあるようです。また、ストーブ設置時は火災などへの安全対策に加え、煙突構造や高気密高断熱の家の空気取り入れ方法など、燃焼にかかわるところは専門家と相談して決めていくことが大切です。連載記事でも指摘していますが安定的に薪を入手する方法を考えておくことや、ストーブを長く使うためにはその弱点を知っておくことも必要です。

■薪ストーブの環境影響
薪ストーブは木を燃やした時にCO2を排出しますが、そのCO2は木が固定したものであり、カーボンニュートラルとして扱われます。また廃棄物の灰は堆肥や釉薬になります。更に、ストーブへの配慮が必要なものの廃材を燃料にできますし、里山といわれる地域の雑木林を先人たちの知恵を活かして賢く活用できると里山の保全につながり、木の若返りや種の多様性の推進など環境側面の様々な効果が期待できます。ここでは、森林インストラクターなど森の仕組みを理解している専門家の適切な助言を活かす仕組みがあると効果的ですね。

■薪ストーブがもたらす間接的な効果
スイッチを入れるだけで済む暖房設備とは異なり、薪を割って乾かして使って灰になるというプロセスは資源循環を誰もが直感的に理解できるものです。また、割ったときの木の香りの違いや、割りにくい木など性質の違いも自然と伝わってきます。桜を割ると桜餅の良い香りしますし、ナラも甘い香りがします。一方、ニセアカシアはいまひとつ。とにかく割りにくいのはリンゴ。クリは雨に濡れると地面が汚れやすく燃やすとよく爆ぜます。他方、薪棚ではカミキリムシがカリカリと大合唱。木が再び生活の身近な存在になり、付き合いが深くなるとよいと思います。


参考文献1:三島勇「レトロな暖房器具がなぜ注目されるのか(2021/4/6)」現代ビジネス(2021年4月14日閲覧)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81568?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related





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