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2022年6月 農林水産業への就業者の増加について考える

大分県で農林水産業への新規就業者が過去最多になったそうです。そこで、今回は農林水産業の従事者が増えることへの期待について触れてみたいと思います。

■大分県で農林水産業への新規就業者が過去最多
大分県の発表では、農林水産業への新規就業者が過去最多の469人となったそうです。内訳は農業が280人、林業が113人、水産業が76人で、その背景にはウッドショックによる国内木材需要の高まりもあったそうです(参考文献1、2)。

■他県でもみられる同様の動き
茨城県でも林業労働者の減少・高齢化の流れが止まり、若返りの傾向が見られるそうです(参考文献3)。これらの動きの背景には国が平成15年から実施している緑の雇用現場技能者育成対策事業をはじめ(参考文献4)、林業従事者確保や育成のための様々な取り組みがあるのだと思います(参考文献5)。

■農林水産業のつながり
この動きが全国に広がると良いと思います。林業従事者の増加は木材利用の増加に加え、森林の整備は多様な森林機能(参考文献6)の維持に有効に作用します。農業の活性化は耕作放棄地の減少など生態系の維持改善に関わる様々な効果を生みます。水産業においても、漁師による植林が各地で行われるなど森との強いつながりがあります(参考文献7)。このように農林水産業は相互に自然を介してつながりがあり、就労者の増加による健全な国土の保全が期待されます。

■まとめ
世界情勢が不安定ななか、国内資源を持続可能な状態で活用することの大切さが再認識されています。国土の67%が森林の日本では江戸時代の木曽五木の停止木制度(ちょうじぼくせいど)に見られるように、大切な資源の枯渇させずに維持管理する仕組みも持っていました(参考文献8)。また、その木材を効果的に有効活用する技術もたくさん持っています。このような知恵が再注目されると良いと思います。

参考文献1:FNNプライムオンライン「大分県内で469人 過去最多の農林水産業就業者(2022/5/13)」(2022年5月27日閲覧)
https://www.fnn.jp/articles/-/359712

参考文献2:大分県ホームページ「令和3年度農林水産業の新規就業者の状況(2022/5/11)」(2022年5月16日閲覧)
https://pref.oita.jp/uploaded/attachment/2142670.pdf

参考文献3:茨城県ホームページ「林業の担い手」(2022年5月15日閲覧)
https://www.pref.ibaraki.jp/nourinsuisan/rinsei/morizukuri/moridukuri/ringyo-ninaite/index.html

参考文献4:林野庁「林業労働力の動向」(2022年5月16日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/koyou/01.html

参考文献5:林野庁「森林・林業白書(令和2年度)」(2022年5月17日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/R2hakusyo_h/all/index.html

参考文献6:林野庁「森林の有する多面的機能」(2022年5月18日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_1.html

参考文献7:環境省「コラム:森は海の恋人」(2022年5月19日閲覧)
https://www.biodic.go.jp/biodiversity/shiraberu/policy/pes/water/water04.html

参考文献8:林野庁中部森林管理局木曽森林管理署「木曽五木」(2022年5月18日閲覧)
https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/kiso/morigatari/kisogoboku.html



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