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Forest Instructor Association of Japan

Newsを考察

2026年1月 ヤドリギから人と自然の関わりについて考える

今月はヤドリギの販売開始のニュースから人と自然の関わりについて、少し考えてみたいと思います。

■ヤドリギの販売
長野県の八ケ岳自然文化園が2年ぶりにヤドリギの販売を始めたそうです。大きくなりすぎたヤドリギを間伐して販売しており、東京から買いに訪れる人もいるなど人気だそうです。生態系への影響が生じない範囲で対応しているとのことです(参考文献1)。

■ヤドリギとは?
ご存じの通りヤドリギは樹木の枝幹に寄生し、日本にはいくつもの種類があり、様々な木に寄生しています。ヤドリギは宿主の枝幹に吸収根を食い込ませて養分を取りますが、自ら光合成を行うため、正確には半寄生植物になります。成長は遅く1年で1節の数センチしか成長せず、よく目にする大きな丸になるには、それなりの時間がかかります。世代交代は鳥を巧みに利用します。種は鳥の体内を通過することで発芽できるようになり、その散布も鳥任せです(参考文献2)。このように見てみると面白い木ですね。漢方薬にも利用されています(参考文献3)。

■欧州におけるヤドリギと人との関わり
C.W.ニコルさんは生前、「オークはケルト人にとって神聖な木で、ケルトの祈りを捧げる場所といえば、古い巨木、泉や巨大な丸石が、オークの森の中にあるところが多い」と語っています(参考文献4)。欧州でもヤドリギはオークの高い枝に根付きます。オークが葉を落とす冬に常緑樹のヤドリギが緑の葉を宿らせることから、そこに生命力を感じ、欧州ではヤドリギも神聖な植物とされてきました(参考文献5)。ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い、または、クリスマスの夜にヤドリギの下でキスをすると幸せになれる、といった言い伝えもあります。ちなみに、映画「トイ・ストーリー」や「ハリー・ポッターとの騎士団」のキスシーンではヤドリギが登場するそうです(参考文献6、7)。

■まとめ
今月はヤドリギのニュース記事から欧州における人と木の関わりを少し紹介しました。ヤドリギは数が増えると寄生する木を枯らす恐れがあり、景観も見方によっては損なわれた感じになります。他方、欧州では神聖な木であり、独特な生態を持っています。長野県の八ケ岳自然文化園が生態系へ配慮しながら過度な伐採を避けていることもうなずけますね。


参考文献1:信濃毎日新聞デジタル「ヤドリギを販売 実は事前に問い合わせある人気物 (2025/12/06)」(2025年12月20日閲覧)
https://news.yahoo.co.jp/articles/db32a3ba60bdde0bebe8d127c940d7a45365586d

参考文献2:森林総合研究所「森林生物 ヤドリギ」 (2025年12月20日閲覧)
https://db.ffpri.go.jp/BioDB/BioDB-L/browserecord.php?-action=browse&-recid=167

参考文献3:日本薬学会「薬学コラム 生薬の花 ヤドリギ」(2025年12月20日閲覧)
https://www.pharm.or.jp/flowers/yadorigi.html

参考文献4:オカムラホームページ「コラム【赤鬼のつぶやき C.W.ニコル】どんぐり(Acorn)(2016/4/10)」(2025年12月20日閲覧)
https://acorn.okamura.co.jp/topics/column/2016/05/09/acorn/

参考文献5:石塚正英「火祭・外魂のフォークローア(2021/4/22)」頸城野郷土資料室学術研究部, 研究紀要 Vol.6/No.10, (2025年12月20日閲覧)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kfa/6/10/6_1/_pdf/-char/ja

参考文献6:山渓オンライン「寄生植物ヤドリギの、恐ろしすぎる「パラサイト」戦略とは?(2021/1/14)」(2025年12月20日閲覧)
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1324

参考文献7:稲垣栄洋「花は自分を誰ともくらべない~47の花が教えてくれたこと~」, ヤマケイ文庫, (2020)



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