今月は来年の善光寺御開帳に向けて製材が行われた回向柱(えこうばしら)のニュースから、神事と木について、少し考えてみたいと思います。
■善光寺御開帳の回向柱
2027年春に行われる長野市の善光寺の御開帳に向け、回向柱の製材が行われました。材は樹齢250年のスギ材で、長野市松代町にある中村神社の境内から切り出されました。製材後は代藩文武学校で保管され、御開帳の開幕1週間前に奉納されるそうです(参考文献1)。
■回向柱とは
製材された回向柱は高さ約10m、太さ45センチ四方、重さ3トンにもなり、善光寺本堂の前に建立されます。「善の綱」と呼ばれる白い紐に結ばれ、それが本堂内で五色の糸に変わり、前立御本尊の右手中指から伸びる金糸と繋がります。参拝者が回向柱の一面でも触れるとその善の綱を通して前立御本尊に直接触れることと同じ功徳が得られると言われています(参考文献2)。
■信仰の対象となる木
回向柱は江戸時代から約300年以上続く習わしで、採納式、斧入れ式、お清め式、受入式(奉納行列)、建立式などを経て善光寺の本堂前に建てられます。多くの厳かな行事があり、歴史的風致ともいわれ、神事における木と人との繋がりも感じ取れます(参考文献2、3)。同じような神事は、同じ長野県の御柱祭でも見られます。
■数年ごとに開催する意味
善光寺の御開帳の開催年は現在は基本的に丑年と未年とされています。一方の御柱祭は寅年と申年に行われ、次回は2028年です。ともに7年に一度行われます。少し調べたところ、下総地方を代表する寄合祭りである船橋市三山の二宮神社を中心とする「七年祭り」や、戸隠神社の「式年大祭」も御開帳と同じ丑年と未年に7年に一度行われます(参考文献4、5)。他方、伊勢神宮の式年遷宮は20年ごとですし、12年ごとに行われる式年大祭も見受けられます。このような行事を特定のインターバルを開けて開催する考え方には、伝統的な行事を途絶えることなく後世へ伝えつつ、地域の負担増へも配慮する現実的な知恵があるのかもしれませんね。
参考文献1:TBS NEWS DIG「【善光寺御開帳】本堂の前に建てられる「回向柱」の製材…原木は樹齢約250年のスギの木「感激!誇りに思う…」御開帳は2027年4月4日から77日間の予定、製材された柱は開幕の1週間前に奉納(2026/10/15)」(2026年10月16日閲覧)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/3014758?display=1
参考文献2:善光寺ホームページ「善光寺前立本尊御開帳について」 (2026年10月16日閲覧)
https://gokaicho.zenkoji.jp/
参考文献3:長野市ホームページ「長野市の維持及び向上すべき歴史的風致」 (2026年10月17日閲覧)
https://www.city.nagano.nagano.jp/documents/17338/021.pdf
参考文献4:千葉県ホームページ「下総三山の七年祭り」(2026年10月18日閲覧)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/p321-061.html
参考文献5:戸隠神社ホームページ「式年大祭について」(2026年10月18日閲覧)
https://www.togakushi-jinja.jp/shinji/
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